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海と山を結blog☆


山は海に流れ流れて、海は山に降りそそぐ。全てのいのちはめぐりめぐる。
by kohtaboy_gabihan
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無意識の沖縄差別

 5月4日に鳩山首相が沖縄にやってきて普天間基地の「県内移設」を表明してから、沖縄では「沖縄差別」という言葉が盛んに言われ始めています。
 
 「県外移設」を約束して政権を獲得したはずなのに、政権交代後、「なぜ沖縄に基地がなければいけないのか?」「なんで抑止力が必要なのか?」といったことを全く検証しないままに、小手先だけの「移設先」探しを続け、最終的に米国の言うがままに「県内移設」を表明したのは、「沖縄差別」以外の何ものでもありません。

 先日、『基地拒む県外に「人類館」重ね 劇団「創造」元代表の内間さん』(琉球新報 5/15)の記事を読んで、昨秋辺野古のおばあに「長野にも空港があるなら、長野に基地をもって行ったらいいさー」と言われた時のことを思い出しました(『おばあとの会話』11/17)。

 沖縄の人々が叫ぶ「県外移設」と、大和の人々が叫ぶ「県外移設」には決定的な違いがあります。

 それは、大和の人々は沖縄の「県外移設」の思いに連帯し、一緒に「県外移設」を求めつつも、みんな「自分のところには来てくれるな」と思っているということです。もちろん自分も例外ではありません。

 「きっとどこかの地域が受け入れてくれるはず」

 みんなそれを期待しながら「県外移設」を叫んだけれど、結局「受け入れます」というところは日本全国どこにもありませんでした。その結果、「やっぱり辺野古で・・・」という最悪の結末を引き出してしまいました。

 沖縄を差別しているのは、「県内移設」を表明した鳩山首相や彼に群がる政治家・官僚達だけなのでしょうか?

 沖縄の思いに共感して「県外移設」を叫びつつも、「基地誘致運動」をしてこなかった僕を含む本土の人間も、やはり無意識のうちに沖縄を差別していたのではないかと思います。

 「長野に基地をもって行ったらいいさー」と言われた時、自分の中にあった矛盾に気付き、「長野に戻って基地の誘致活動をやった方が沖縄の負担軽減になるんじゃないか」と思いましたが、結局できませんでした。

 差別というのは、意識してするだけが差別ではありません。「県内移設」を表明した政府(国)を構成している僕達が、「あれは政府が勝手に決めたことだから、俺には関係ない」、と問題から逃げようとするのも、やはり沖縄に対する差別だ、と僕は思います。

 普天間問題は、「日本の問題」であり、「僕達一人一人の問題」です。日本という国を構成している一国民である限り、「無関心」を装うことはできても「無関係」ではいられません。

 「県外移設」や「無関心」の中に潜む「無意識の沖縄差別」に、大和の側がどれだけ気付くことができるのでしょうか?多くの人が気付くような働きかけも必要だと思います。

 先ほど紹介した記事の中で内間さんはこう言っています。

 (普天間問題について)「全国のヤマトゥンチュは自分の問題ととらえていない。だから基地の受け入れ運動が起きない。それは沖縄への大きな差別。自分の中の差別に気付くかどうかで、この問題への認識や生き方に隔絶の差が出る」。

 僕達は今、この普天間問題を通して一つのことが問われていると思います。

 「沖縄は本当に『日本』なのか?」

 沖縄がこれ以上日米の「軍事植民地」にならないよう、これから本土の側は「県外移設」を叫ぶのではなく、「国外移設」もしくは「無条件返還」を叫ぶべきです。

 最初、普天間問題は普天間基地「移設」問題ではなく、普天間基地「返還」問題として捉えられていました。それがいつの間にか、日米両政府の企みにより、「移設」問題へとすり替えられました。

 今一度、普天間基地問題の原点に立ち返るとともに、「無意識の沖縄差別」を克服しなければいけません。

 「日本の問題」である普天間問題は、沖縄の力だけではなかなか解決できません。日本全国の力が必要です!!

※こちらの記事も一読してください。

 『[安保の歪み]解消されない不公平 県民に「悔しい思い」』(沖縄タイムス社説 5/30)

 


 

by kohtaboy_gabihan | 2010-05-31 13:46 | ウチナーとヤマト
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