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10月13日に、高江住民が沖縄防衛局に出向いて仮処分取り下げを求める要請行動があり、僕も参加してきました。
仮処分のことは前にも書いたように、防衛局が、ヘリパッド建設に反対している住民達に対し、妨害行為をしているとして、仮処分手続きを申し立て、司法の力で住民を排除しようとした事件です。 今月3日に、裁判官による高江現地進行協議が行われ、10月13日をもって、双方の最終的な意見提出の締め切りとなりました。そして現在、裁判所の決定がいつ出てもおかしくないという状況です。 政府は、住民等がヘリパッド建設工事を妨害していると主張していますが、申し立てから1年が経っても、肝心の妨害行為の特定すらなされていない、という有様なのです。 そこで、この不当な申し立てを、判決が下される前に取り下げてほしいという思いで、高江の人達は防衛局に要請行動に行ったのです。 午後2時半に、嘉手納町の役場前に集合し、集会をした後、隣接する沖縄防衛局に向かいました。この要請行動に、社民党の山内徳信参議院議員も駆けつけてくれました。 この要請行動に約50人程集まりましたが、建物内に入れるのは15人だけだと言われ、僕は他の人達と共に玄関前で待っていました。普段は誰でも出入り可能な防衛局ですが、こういう時は人数制限をするようです。 玄関には、3人の職員が立っており、その後ろにも何人もの職員が立っていました。高江で座り込みをしているおじいが、彼らに向かって必死に抗議していましたが、彼らは険しい表情のまま、ずっと下を向き、黙っていました。また、涙ながらに訴えている女性もいました。これが民主主義国家の光景なのか、と思うと、憤りの念がわいてきます。 それにしても、沖縄防衛局の建物は新しく、立派なものでした。この建物は、2年前に嘉手納町が防衛局を那覇から誘致して、建てられたものです。誘致に関し、どういった経緯があったのかはわかりません。米軍の嘉手納飛行場のすぐ隣にあり、戦闘機の爆音が響き渡っていました。 話し合いは、30分程で終わるかと思いましたが、1時間近く経って、高江の人達が戻って来ました。話し合いが長くなったのは、山内徳信議員が粘り強く抗議してくれたからだということでした。話し合いと言っても、実際には話し合いではありませんでしたが・・・ 要請行動後に、防衛局前の広場でもう一度集会を行い、どういう内容だったのか聞きました。防衛局の広報官が2人対応したそうですが、こちら側が何を言っても、「控訴中だからコメントを差し控えます」、「それは担当でないのでわかりません」、「上に伝えます」の3点セットで、全く議論の進展がなかったそうです。 昨年、仮処分の申し立てが起こされた直後に、防衛局に抗議に行った時は、玄関で門前払いされて中にも入れなかったそうです。その時に比べたら、政権交代によって、防衛局の態度も少し変わったのかもしれません。 しかしながら、5月に辺野古における違法調査の中止要請に県庁に行った時と同じように、県や政府は最初から話をできない人を出してきます。権力をもった人間は、いつも隠れている。なんとも卑劣なやり方だ。そういう人達が、民主主義国家の重要な役職に就いているわけだから、おかしなことだし、やるせない。 それを分かっていても、抗議に出向かなきゃいけないのです。声を上げなければ、相手の思うようにやられてしまいます。 今、高江の仮処分申し立ては、裁判所の判決がいつ出てもおかしくない状況です。判決が出たら、防衛局がヘリパッドの建設作業に乗り出す可能性が高いです。 一つ問題なのは、辺野古の基地問題は大きく騒がれているのに、高江のことはほとんどクローズアップされません。沖縄県内でも、高江のことを知っている人は決して多いとは言えません。 だからこそ、辺野古の基地問題の陰で、防衛局が高江のヘリパッド建設に着手する可能性があります。高江のヘリパッドを作った後で、「もう高江にできてしまったんだから、辺野古にも作らざるを得ないでしょ」という論理が出てくることも考えられます。 辺野古のことも重要ですが、それと同時に高江のことにも、目を向けていかなければなりません。やんばるの豊かな森が米軍基地建設によって破壊されないように守っていくためにも、高江の問題に一人でも多くの人が関心をもってくれることを願ってやみません。
by kohtaboy_gabihan
| 2009-10-22 22:30
| 高江(たかえ)
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