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先日、那覇の桜坂劇場で藤本幸久監督の『ONE SHOT ONE KILL』というドキュメンタリー映画を観てきました。
この映画は、アメリカ海兵隊の新兵訓練所において、普通の若者達が兵士になるまでを、入隊から卒業まで12週間かけて記録したものです。 映画の感想は、「衝撃的」の一言に尽きます。軍隊というものが、いかに非人間的で非社会的なものなのかをまざまざと見せつけられました。 サウスカロライナ州にあるその新兵訓練所には、毎週500人近くの若者達がやってくるそうです。真夜中に到着すると、それから48時間は寝させてもらえません。 到着するなり、教官から「SCREAM!(叫べ!)」と怒号を浴びせられ、若者達は「YES, SIR!」と何度も叫ばなければなりません(この光景は卒業の時までずっと続きます)。 家族に電話で話していいことは、「無事着いた」、「荷物は送るな」など、たった5行だけで、「ありがとう」や「愛してる」といった言葉を口にすれば、卒業まで家族に電話することはできません。しかも、電話をしている最中も、教官達は罵声を浴びせているのです。 その後、一列に並べられ、全員髪を剃られます。中には、うっすらと涙を流している若者もいました。このような疲労と衝撃が、普通の人間が兵士に変身するのをたやすくするそうです。これは、何百年と続く軍隊の歴史の中で得られた「成果」だそうです。 その後は、マーシャル・アーツ(格闘技)やライフルの射撃訓練等、人を殺すための実践的な訓練が行われます。そこで教えられる戦闘の心構えは、「たとえ1対10の状況になっても、相手を一人たりとも生きて返すな」ということ。 一列に並んで、大声を出しながらマーシャル・アーツを練習する光景を見て、自分の高校時代の新入生に対して行われる応援練習を思い出しました。その応援練習も、新兵訓練所が「立派な兵士」を育てるのと同じように、「立派な高校生」に育てるために行われていた伝統でした(おそらくその伝統は今も続いている)。 また、日本の企業でも、「立派な企業戦士」を育てるために、軍隊から取り入れた企業教育が行われている所もあるようです。結局、軍隊は非社会的な存在に見えても、軍隊的な要素は自分達の日常生活にも潜んでいるんだと思い知らされました。 藤本監督やプロデューサーの影山あさこさんが辺野古に来た時に、この映画のことについて話を聞いたことがありますが、軍に入隊するのは、黒人や移民の人達が多いそうです。 彼らの多くは社会的地位が低く、まともな教育も受けられず、仕事もほとんど見つかりません。しかし、家族の誰かが軍に入れば、家族全員が医療保険を享受でき、また軍の任期を終えれば、奨学金が支給され、大学に進学にすることもできるそうです。だから、ほとんどの若者がそれを目的に入隊してくると言っていました。 映画でインタビューを受けていた若者達も、「英語の勉強をしたい」とか「周りの世界をみたい」とか、自分の可能性を開きたいという思いを語っていました。最初は「軍の任期終了後に何をしたいかわからない」と言っていた若者も、12週間の訓練を終えた後は「訓練の中で前の自分とは変わったと思う。将来は大学に進学したい」と、うれしそうに話している場面がありました。 一般の社会では差別的な待遇を受けている彼らにとって、軍に入ることで「ちゃんとした教育」を受けられ、「国に尽くす立派な兵士」として周りから認められるということは、大きな変化に違いありません。さらに、将来の可能性も格段に広がります。 藤本監督は、「アメリカの軍隊は名目上は「志願制」だけれど、本当は「貧困徴兵制」なのだ」と言っていました。 最初は教官の罵声にパニックになっていた若者達も、12週間の訓練の中で「立派な兵士」に変わります。こうして、アメリカは今日も新たな兵士をつくりだし、終わりなき戦争を続けていくのです。 そのアメリカに追随している日本も、戦争の闇に覆われています。僕達にできることは、その現実を知り、日本がアメリカのような「戦争国家」にならないための抵抗を考え、行動していくことではないでしょうか? 『ONE SHOT ONE KILL』、一見の価値ある映画です。また、アメリカの戦争の現実を幅広く記録した『アメリカ―戦争する国の人々―』も併せて観てみてください。こちらも藤本監督が撮った8時間の超大作です。 今後東京を始め全国各地で上映されるようですので、お近くに住む方はぜひ足を運んでみてください。 上映スケジュールはこちら☟ http://america-banzai.blogspot.com/
by kohtaboy_gabihan
| 2010-02-12 14:20
| 米軍基地/ 訓練
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