海と山を結blog☆


山は海に流れ流れて、海は山に降りそそぐ。全てのいのちはめぐりめぐる。
by kohtaboy_gabihan
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憲法と安保
from 辺野古と高江に軍事基地は作ら..
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抑止力は「ユクシ」力

 鳩山前首相が普天間基地の県内移設を正当化するために使った、「抑止力」という単語。それについて、この前テント村常連メンバーのおじさんが面白いことを言っていました。

 おじさん曰く、「『抑止力』とは『ユクシリョク』だ」。

 ウチナーグチ(沖縄の言葉)では、オ音はウ音、エ音はイ音で発音されます。例えば、「もち(餅)」はウチナーグチで「ムーチー」と言います。なので、「ヨクシ」は「ユクシ」と発音されます。

 そして、この「ユクシ」とはウチナーグチで「ウソ(嘘)」を意味します。つまり、「抑止力」とは「ウソ力」ということです。

 鳩山前首相は、「学べば学ぶほど米海兵隊の重要性がわかった」と発言しましたが、逆に沖縄の人々は「学べば学ぶほど海兵隊の存在意義がわからなくなりました」。

 普天間問題が日本全国で騒がれている間、沖縄でも盛んにシンポジウムなどが開催され、沖縄県民も米軍基地について改めて勉強しました。結果、それらを通してわかったことは、在沖海兵隊の本来の目的は、「戦地にいる米国人の救出」であり、「日本の安全保障」のためにいるわけではないということです。

 また、「米軍の存在が北朝鮮の脅威に対する抑止力になっている」と、本土の側は必死に力説していますが、北朝鮮がそれほど恐ろしいなら、米軍基地を本土に移した方が明らかに効果的です。

 在沖海兵隊の地上部隊は、長崎県佐世保の米海軍基地からやってくる揚陸艦に乗って、戦地へと向かいます。もし朝鮮半島が有事になった場合に、いちいち長崎から沖縄に行って、また戻ってくるなんてことをしていたら、とても有事に対応できません。それならば、移設候補地に挙がった、長崎にある陸自の大村基地などに移設した方が、抑止力の効果が高まることは明らかです。

 それに、日本海側にはたくさんの原発があります。もし北朝鮮のミサイルが原発に落ちたら、日本は壊滅的な被害を受けます。北朝鮮のミサイルが恐いなら、原発の近くに米軍基地を置いた方が、むしろ「日本の安全保障」になります。

 けれど、そもそも軍事費支出が世界6位の日本(2009年ストックホルム国際平和研究所調べ)が、世界15位以内にも入らない北朝鮮の軍事力にビクビクするのは摩訶不思議です。

 また、そのおじさんは、「米軍の本当の抑止力は、日本の政治家に対する抑止力だ」と言っていましたが、僕も全くその通りだと思いました。

 アメリカ政府からすれば、普天間基地の県外移設を唱えた鳩山首相の発言・行動は「暴走」と見えたはずであり、その「暴走」を米軍が見事に「抑止」したということになるでしょう。たしかに、鳩山政権下での普天間問題の迷走ぶりを振り返ると、米軍が中国や北朝鮮よりも、日本政治の反米的態度を牽制していることがよくわかります。そして、現在の菅政権は、米国に従うことを早々に決めてしまいました。

 しかしながら、もう沖縄の人々は「抑止力」が「ユクシ (ウソ)」であることを見抜いています。見抜いてしまった以上、そうやすやすとは騙されません。

 本土の側も、そろそろ「抑止力」が「ユクシ力」であることに気付かなければいけません。
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by kohtaboy_gabihan | 2010-06-19 01:03 | 普天間問題

米兵との交流

 日米共同声明が発表された先月28日、僕の働いているステーキハウスに3人の米兵がやってきた。そのうちの1人は、去年の暮れに食べに来た時に親しくなった人で、キャンプ・シュワブに所属しており、数か月に一度は仲間を連れてやってくる。彼はなかなか僕の名前を覚えてくれないが、僕は彼の名前を覚えている。

 彼らの前に行ってあいさつをすると、彼が開口一番「日本の首相が沖縄に新しい基地を造るってアメリカと約束したというニュースを見たよ」と言ってきたので驚いた。

 米兵とは基地問題の話はしたくないし、したこともなかったので、僕はどう答えたらいいのか困っていた。すると、彼は続けて「この前日本の首相が沖縄に来た時に、リゾートホテルの前を通ったら、首相の来県に抗議している人達がたくさんいて、僕達まで抗議を受けたから怖い思いをしたよ」と言った。

 それを聞いて、先月23日のブセナリゾート前の抗議行動のことだとすぐにわかった。確かにあの日、運悪く(?)交差点で信号待ちをしていた米兵達が抗議行動に来ていた人達から、「沖縄から出ていけ!!」と罵声を浴びているのを見た。車の中にいた米兵達がとても肩身狭そうにしていたのを覚えているが、彼もその中にいたのだ。

 平日は軍服を来ているけれど、この日は日曜日で彼ら米兵も休日だったから、普段着をまとい「一般人」として外に出ていた。やはり、さすがの米兵も「一般人」として外に出れば、沖縄の人々の怒りに太刀打ちできないのだろう。

 そして、彼は「なんで日本人は抗議しても暴動は起こさないのか?」と聞いてきた。

 本土の方だと機動隊と衝突するという場面をよく見るが、沖縄では見たことがない。僕はとりあえず、「日本人は暴力で問題が解決できるとは考えてないからだと思うよ」と答えた(実際そうでもないけど)。

 僕の答えに対し彼は、「そうなんだ。アメリカじゃすぐに暴動になるけどね」と言った。それを聞き、「今は沖縄でも暴動が起きないですんでるけど、今後の普天間問題の展開によったらどうなるかわからないよ」と言おうかと思ったがやめておいた。

 僕の働いているステーキハウスには米兵がよく食べに来るが、そのほとんどがキャンプ・シュワブにいる海兵隊員だ。英語を話せる従業員があまりいないので、だいたい僕が彼らに応対するのだが、彼らのほとんどは陽気で、親しみやすい。中にはいかにも軍人といった顔つきの人もいるが、それはごく一部だ。

 彼らと会話をしていると、彼らが基地の中で人殺しの訓練をしているなんて、とても思えなくなる。以前の記事でも書いたように、アメリカの軍隊に入隊する人達のほとんどが「母国の戦争に身を捧げたい」という積極的な理由ではなく、社会保障を得るために入隊せざるを得なくて入った人達だ。だから、黒人やアジア系移民の人達が大勢いる。(2/12『ONE SHOT ONE KILL』の記事参照)

 沖縄は日常的に米軍機の騒音だけでなく、米兵犯罪にも苦しめられているわけだから、アメリカ嫌いな人は当然多い。その気持ちは痛いほどよくわかるが、僕は米兵達と会話しているといつも、「彼らにも悪い部分はあるかもしれないけど、彼らを半ば強制的に軍隊に入れようとするアメリカ社会の仕組みや人間性を奪っていく軍隊のあり方が最も悪いんじゃないか」と、思う。

 シュワブの海兵隊員にも顔見知りが何人かいるから、毎週行われるゲート前の座り込みに参加するときは、「彼らに見つかったらどうしよう。何と言われるだろうか」と常に不安を感じながら座り込んでいる。そのこともあって、彼らに向かって親指を下に向けることができない。

 でも今は、彼らと敵対するよりはできる限り仲良くなろうと考えている。なぜなら、いつも人殺しの訓練をし、人間性を失わせるような環境に置かれている彼らともっと文化な交流をして、「人間」のままでいてほしいと思うからだ。でも、親しくすることで、「我々は日本人に迎えられている」と思われてしまうという問題にも向き合っていかなければいけないとも感じている。

 もし彼らが戦場に派兵される時が来たら、それが絶対命令だとしても、思いとどまってほしいと思う。「敵」も同じ人間で、同じように家族がいるのだから、殺したところで何の解決にもならないということに気付いてほしい。そして、できることなら軍の内部から反基地・反戦運動を起こしてほしいと願っている。

 「敵」を作りだしてしまっては、「平和」は実現しない。

 僕と米兵との間にある大きなフェンスを越えて、「敵」ではなく、同じ地球に生きる「仲間」として、今後も彼らと向かい合っていこうと思う。
 
※こちらの記事もぜひ読んでみてください。

 『米兵の邦人妻 苦悩 文化の違い 偏見に直面 琉大・宮西さん調査』(沖縄タイムス 6/13)
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by kohtaboy_gabihan | 2010-06-14 15:34 | 米軍基地/ 訓練

高江、たかえ、タカエ、TAKAE!!!

 先日、2月の仮設フェンス工事以来、久々に高江に行ってきました。

 仮設フェンスは未完成のままで残っていて、そのままではただ景観を損ねるだけのみすぼらしいフェンスなので、絵や看板が飾られていました。やはり7月から工事が再開されるということで、高江の人達の間には徐々に緊張感が高まっているようでした。
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(N4ゲート前の仮設フェンス)
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(こちらもN4ゲート前に作られたもう一つの仮設フェンス)
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(N1ゲート前の仮設フェンス。真ん中にゲートを設置する予定らしい)
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(この森の奥では米軍のジャングル訓練が行われている)

 高江には正午過ぎに着いたのですが、しばらくすると「ドドドドドド・・・」というヘリの音が聞こえてきて、普天間基地所属のCH46というヘリ3機が夕方6時ごろまで延々と高江上空を飛び回っていました。もちろん、住宅地上空もです!

 N4ゲート前のテントで座り込んでいると、ゲートのすぐ近くにあるヘリパッドにヘリ3機が着陸し、その後1機ずつホバリング(空中停止)をしながら向きを変えていました。

 米軍が嫌がらせでテントに超低空で近づいてきて、その風圧でテントが潰された話も聞いていたので、ヘリがこちら側を向いた時、「まさか・・・」と思い、鳥肌が立ちました。しかし、こちら側を見下ろしながら手を振ったり、写真を撮ったりして、また向きを変えたのでほっとしましたが、かなり怖い思いをさせられました。米兵もそういう意図でやったのかもしれません。
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(やんばるの空を飛び回るCH46)

 このホバリング訓練は10分以上も続きましたが、5分間ヘリの爆音に晒されているだけで頭が痛くなり、気分も悪くなりました。

 こんなに長い時間ヘリの爆音に晒されていたのは初めてだったので、高江や普天間や嘉手納周辺に住む人々の騒音被害がいかに苦しいものなのか、肌で思い知らされました。まさに戦場さながらの恐怖と緊迫感がありました。

 一緒に座り込みに参加していた人達が唄を歌ったり、ギターを弾いていても、ヘリの爆音でかき消されてしまうので、ほんとにワジワジー(イライラ)します。

(これは2月に撮ったCH46の離陸時の動画)

 また、先月アメリカのスタテン島での米軍イベントで、「オスプレイ」が広々とした芝生の上に着陸しようと高度を下げた時に、そのあまりの風圧によって周りの木が折れ、木の下にいた市民が下敷きになった映像を見ましたが、あまりに衝撃的でした。

(これがその時の映像)

 こんな恐ろしいオスプレイが、2012年には現在のCH46に代わって普天間基地に配備される予定になっています。そして、そのオスプレイが高江に飛んできたら、やんばるの木々は折れ、貴重な生態系に及ぼすダメージは計り知れないものとなります。

 そのオスプレイのためのヘリパッド工事が、来月7月から高江で行われようとしているのです。それなのに、普天間問題で話題になるのは「辺野古」ばかりで、「高江」にはほとんど目を向けられていません。

 しかも、今では日米共同声明と鳩山前首相の辞任のおかげで、さらに人々の目が届きにくくなりました。それでも、現場でたたかっている人達がいることを県内外に知らせて、それぞれの場でできることを模索しながら、辺野古と共に高江の基地建設も止めなければいけません!! 
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 こんなきれいな自然に基地はいらない!!
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by kohtaboy_gabihan | 2010-06-13 12:19 | 高江(たかえ)

シュワブゲート前座り込み 6/10

 今週から木曜日に変更となったキャンプ・シュワブゲート前の座り込み。曜日が変わったせいか若干参加者が少なかったですが、いつも通り道行く車に向かって「基地建設反対」の意思を示しました。

 気になるお天気の方は、一時的ながらもやっぱり雨でした。「晴れ男・晴れ女」の参加をお待ちしています(笑)
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 本土では、鳩山政権の終焉と共に普天間問題も決着がついたかのような捉え方がなされていますが、沖縄の人々にとっては何も決着されていません。ただ振り出しに戻っただけです。今後普天間に関する本土での報道は減っていくと思われますが、それでも「基地建設撤回」の日まで、沖縄の人々はずっと闘い続けていくのだということを頭の隅にでも入れておいてほしいと思います。
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(英語の横断幕もだんだん増えてきました)
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(こういう風に感じてくれる人がもっと増えて欲しいな)
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(毎週高江から参加してくれるSおじさん。いつもゲートの反対側に立ち、手を振りながら「おはようございます」「行ってらっしゃい」と声をかけています)
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(県内の各基地を結ぶ、米軍用の路線バス。外から見られないように、黒い窓ガラスで覆われています)
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(「辺野古移設」を前提にした基地内工事は着々と進められています。地元の合意なしに!!)

 全国から寄せられる素敵な横断幕をキャンプ・シュワブだけに飾るのはもったいないということで、別の場所でも展示会をやろうかと計画されているようです。もっと多くの人に見てもらって、「基地建設反対」の大きな輪(おおきなわ→沖縄)を作って、キャンプ・シュワブを包囲してしまいたい!!!

 と、思った今日の座り込みでした。
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by kohtaboy_gabihan | 2010-06-11 00:32 | ゲート前座り込み

シュワブゲート前座り込み 6/4

 毎週金曜恒例のシュワブゲート前の座り込みも当初の予定では、5月決着ということだったので先月までで終わる予定だったのですが、先週の5月28日にとんでもない結末を迎えてしまったので、沖縄県知事選が行われる11月まで続けることになりました。

 というわけで、昨日も朝7時半からキャンプ・シュワブゲート前でおじい、おばあ達と座り込みました。天気はもちろん雨!・・・と思いきや、今日は降りそうで降らぬまま、濡れずにすみました。
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 民意を無視した日米共同声明が出された後も、全国各地から連帯の横断幕が届いています。11月までこの座り込みを続けるのは大変ですが、それまでに横断幕が一体何枚に達するか楽しみです。「民意を無視する政府に声を上げたい!!」と思ったみなさんも、ぜひぜひ応援の横断幕を辺野古テント村まで送ってください!
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(日本語だったり、英語だったり、イラストだったり、思い溢れるユニークな横断幕の数々)

 今日も前を通り過ぎる車に向かって手を振ったり、プラカードを掲げたりしました。手を振ってくれたり、クラクションを鳴らしてくれる市民の方が相変わらず多く、日米両政府が合意して普天間問題が一応決着したような形になってますが、まだまだ沖縄県民の怒りはおさまっていないことがよく感じられました。
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(第一ゲート前にあるバス停の看板)
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(二重のフェンスの向こう側に見える軍車両)
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(キャンプ・シュワブの奥にはきれいな辺野古の海が広がっています)

 米軍基地のフェンスに対峙するたび、4月25日の県民大会で高校生の女の子が言った「フェンスに囲われているのは米軍ではなく、私達じゃないのか?」という台詞を思い出します。

 米軍はフェンスを自由に越えられるのに、僕達は越えようとすると捕まえられる。一体どっちの方が自由なのか?

 新しく総理になった菅首相は、日米共同声明について「日米合意は政府と政府が決めた重要な合意だから、それを継続していく」と言いましたが、国民の過半数以上の人が納得しない合意がそんなに重要なのでしょうか?それが国民を代表する政府のやるべきことなのでしょうか?

 でも、いくら日米合意を押し通そうとしても、それはきっと実現しないでしょう。なぜなら、僕達はこの計画が白紙撤回されるまで闘うからです。14年もの間、辺野古の海に杭一本すら打たせなかった歴史がちゃんとあります。

 辺野古のおじいは菅新首相を「空き菅(缶)総理」と言っていました。なぜなら、中身がない空き缶はどこに飛ぶかわからない。おじいのユーモアには脱帽です(笑)

 これからは空き菅総理の中に、「民意」というジュースをたくさん注ぎこんで、アメリカや官僚という岩にも潰されない、しっかりした総理にしなければいけません。

※先週末、キャンプ・シュワブでフェスティバルが開かれました。僕は去年は行きましたが、今年は行けませんでした。しかし、リムピースのホームページと目取真俊さんのブログで、シュワブの中の様子が写真付きでアップされていますので、ぜひ見てください。基地の中はほんとに広々していますが、それでも一般人が入れるのはごく一部だけなのです。

 『キャンプ・シュワブの中は・・・』(追跡!在日米軍 rimpeace 5/30)

 『キャンプ・シュワブ内で進む工事』(海鳴りの島から 6/4)
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by kohtaboy_gabihan | 2010-06-05 01:21 | ゲート前座り込み

ナゴンチュの苦悩

 この前、バイト先のステーキハウスで仲間2人とまかないを食べていた時のこと。1人はナゴンチュ(名護の人)で、もう1人は大宜味村の人だった。

 突然、大宜味の方が基地問題の話を持ち出し、「結局、辺野古の海を埋め立てるんでしょ?」と僕に聞いてきた。

 僕は、「鳩山が変なこと言ってるね。でも、今の状況じゃ無理だと思うよ。」と答え、もし辺野古の海を埋め立てることになったら、ダンプ約250万台分の土砂が必要になること、その土砂を沖縄近海から採取すること、さらに今度沖縄に配備予定の「オスプレイ」は今のヘリよりも数倍大きく、墜落事故を何度も起こした欠陥機であることを説明すると、彼はとても驚いた表情をしていた。

 すると、ナゴンチュの社員が口を開き、「基地反対って言ってるけど、実際基地関連の仕事をしている人は大勢いるわけだから、沖縄県民全員にアンケート調査したら、基地を受け入れるっていう人の方が多いと思うよ。それに、4月の県民大会だって、動員された人も大勢いたはずだ。」と言った。

 いきなりそんなことを言われ、たじろいだが、それは違うと思い、「確かに動員された人もいたかもしれないけど、それ以上に子供を連れて家族ぐるみで参加してる人達がたくさんいたよ」と、反論した。

 それに対し、彼は「でも、稲嶺さんが市長になってから、名護の土建屋はみんな苦しくなったって言ってるよ」と言った。

 確かにそうだろう。基地建設で儲けようとしていた土建屋は稲嶺市長が誕生したことで、そのお金が飛んで行ってしまったのだから。

 さらに彼は言う。「前の島袋市長はよかった」。

 なんでかと聞くと、彼の知り合いが島袋前市長の秘書をしていて、その知り合いが友達とパーティーを企画した時に前市長がお金を出してくれたからだ、と言う。

 前の市長は基地を受け入れることで、政府から多額のお金を得ていたんだから、お金の羽振りはよかったはずだ。その話を聞いて、名護市長選の時に島袋前市長が飲み屋街で若い人達におごって、支持を集めていたという噂がおそらく本当だったんだろうなと思った。人間はなんてお金に弱いんだろう・・・

 その彼の言ったことに対し、僕は「何度か名護市議会に行ったことがあるけど、前の島袋市長は全然自分の考えがない人だったよ。質問されると、いつも隣の副市長に訊いていたし、もう1人の副市長はいつも寝ていたし。副市長が2人いたのも、基地交付金で置いていたんだから」と返した。

 それにしても、彼がなんでそんなことを言うんだろうと思っていたら、彼は名護市の安和(あわ)という地区に住んでいて、そこには大きなセメント工場があり、一時はその工場のおかげで安和地区はかなり潤っていたという。そして、彼の父親も採石工場で働いていて、基地建設の仕事がなくなったのは大きな痛手だったようだ (しかし、今はその仕事が再び舞い戻ってきそうだけど)。

 やはり、ここにも基地の闇が入り込んでいた。

 しばらくの沈黙が続いた後、彼は諦めたような口調でこう言い放った。

 「もう安和の海を埋め立てて基地を造ればいいのに」

 その言葉に対し、僕は何と答えたらいいのかわからなかった。

 戦争には反対だけど、基地には反対できない。ウチナー(沖縄)の苦悩が滲み出ていた。14年間も基地に翻弄され続けたナゴンチュの苦悩はいまだ癒されない。

 それどころか、日米両政府はまだ苦しめようとしている。しかし、日本やアメリカ政府だけでなく、本土から来た自分も目の前にいるナゴンチュを苦しめていることを思い知らされた。

 「戦争も反対、基地も反対」

 僕ら本土の人間は当たり前に言えるけど、沖縄の人々は簡単に言うことができない。

 沖縄の人々が何の気兼ねもなくそう言えるように、本土の人達がもっと沖縄に歩み寄らなきゃいけないと思わされた会話だった。
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やはり、この海を埋め立てるわけにはいかない。
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by kohtaboy_gabihan | 2010-06-02 12:53 | ウチナーとヤマト